珈琲と写真の日々-59
2018年 05月 12日
望遠鏡メーカーTS社のことで最近思うことを書いてみたい。
私がこの会社の望遠鏡を購入したのは平成元年1月4日のことです。当時の一般向け商品のメーカーとしてはNikon、旭光学(PENTAX)、Olympusぐらいのもので、ほかに老舗のミザール、カートン光学、ビクセンなどがありましたが玩具の領域のものでした。その中でTS社は私が知らないメーカーでしたが情報誌を見ていてパーツのほとんどが鋳造品で、多少扱い難いがしっかりした造りのものを出している会社であることがわかりました。私が購入したのは MT-160のピラー設定、90S赤道儀HD-4モーターの組合せのものでした。以来気が向けば空を眺める日々を30年間続けておりおります。
最近の木星観察のため組み立てているとHD-4モーターの取付金具がやおら崩れてきました。鋳造品なので衝撃を与えない限りは壊れないと思っていたのでまさかと思って見てみるとなんと取付穴を中心にして真っ二つに割れてくるではありませんか。京都には鋳造品を扱う職業が定着しているのでその専門家に人を介して聞いたところ、合金であることがわかり、溶接では修復できないとの回答でした。ダメもとで、TS社製品の主販売会社に問合わせたところ、ナント在庫があるとのことでした。このことにも驚きました。すでに販売されなくなって二十年以上は経過しているのに鋳型が残っているのです。こんなことが生産者の信頼に結びついているのだと改めて思いました。早速このパーツを送っていただいて再び空を眺めているこの頃です。
TS社の製品は一般的に高価と言われているのですが、多くのパーツをも揃っており、少数多品種の管理を続けるにはやむ得ないことでしょう。今後ともこの社の製品を愛用していきたいと思いました。また三十年経過したMT-160ニュートン鏡は二年ごとに水洗することでいまだに素晴らしい性能を発揮してくれています。この社の製品はそのような意味で一生モノと言えるでしょう。そう考えると安価なものではないでしょうか。
by sizuo1966
| 2018-05-12 10:39
| お星さま
|
Comments(0)